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国際基準に基づいた空調衛生設備のエンボディドカーボンの実態分析

国際基準に基づいた空調衛生設備のエンボディドカーボンの実態分析が日本建築学会環境系論文集2025年12月号に掲載されました。早稲田大学、三菱電機、三菱地所設計の共同研究によるものです。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/aije/90/838/90_657/_article/-char/ja/

国際基準に基づいた空調衛生設備のエンボディドカーボンの実態分析
平須賀 信洋, 新藤 幹, 諫早 俊樹, 石井 朱音, 中村 駿介, 羽鳥 大輔, 飯田 隆義, 小林 大樹, 川野 裕希, 田辺 新一

本研究では『ZEB』を達成している研究施設を対象としホールライフカーボンを算出した。特に、空調衛生分野のエンボディドカーボンを国際基準に基づき詳細に算出を行って、品目ごとにISO 21930-2017 に従って示し、以下の知見を得た。
本実証棟の空調衛生のEC は5.82 kg-CO2e/㎡年となり、建物全体EC の12.8%であった。ビル用マルチVRF システムを利用する建物においては、室外機、室内機が空調衛生設備EC の中で占める割合が大きかったが、冷媒が空調衛生設備全体EC の69.8%と極めて大きな割合を占めた。冷媒分は、スローリークと撤去時のフロン回収残量ともに大きい値であり、リーク量の低減、並びに冷媒回収技術の改善は重要な課題である。各国、各機関から冷媒漏洩のさまざまな基準数値が公開されているが、採用する数値によって、EC の算出結果に大きく影響を与えることが分かった。また、本実証棟は『ZEB』を達成している特殊性があるため、一般的な建物(室外機屋上・容量標準・冷暖同時)を想定して比較を行った。その結果、空調衛生のEC は最大15.3 kg-CO2e/㎡年となり本実証棟の262%になることが試算され、その際の建物全体のEC に占める割合は27.8%となり、空調衛生設備のEC が建物全体に対し、大きな影響があることが確認された。