本研究は3年間の研究期間の中で、温熱環境と生産性の関係を定量化し、夏季の軽装としてノーネクタイ、ノー上着ファッションで、冷房設定温度28℃を推奨するCOOL BIZの実施効果を経済性の観点から評価するとともに、経済性と省エネルギー性を両立させる28℃オフィス環境について検討することを目的としている。

【研究成果】
(1)オフィスにおける知的生産性の評価手法として、WEBサーバ内にデータを蓄積可能な知的生産性評価ツールの開発を行った。
(2)作用温度25.5°C、28.5°Cの2条件に対して換気量大/小の4条件とした被験者実験、着衣量の緩和や個別制御を可能とする温熱環境の簡易な改善策を導入する実験条件を設けた被験者実験を行い、温熱環境に関する申告が不満側になるほど、疲労感が高く作業成績が低いという相関が得られた。
(3)室温緩和オフィスにおける現場実測を行い、空気温度分布の発生、空調システムのチューニングの必要性、執務者の温熱不満足者率が70%を上回っている実態を指摘した。
(4)冷房温度設定を2°C上げる(26°C→28°C)ことによる消費エネルギーの削減効果の試算を行い、設備システムに工夫を行わない場合には年間で1.64%の削減効果があることを示した。