自動車室内の冷房負荷削減は、地球温暖化を抑制するために緊急を要する問題である。車室内の快適性向上とともに、よりエネルギー消費量の少ない空調方式が求められている。しかし、熱的に非定常・不均一となりやすい車室内空間に対して、均一な建築空間を前提とした快適性評価指標を適用することは困難である。以上のような背景から、ISO14505では車室内空間の快適性評価として、乗員部位別の等価温度を算出する手法が適用されている。また、人体の生理量予測として体温調節数値モデルが利用されているが、不均一環境下における生理量を詳細に再現するには課題が残っており、快適性予測技術の発展が望まれる。
本研究では、非定常・不均一な温熱環境下における快適性予測と目的とし、車室内乗員の詳細な生理量予測を試みている。夏季炎天下に実車両を用いた被験者実験を実施し、予測精度の検証データを得ている。それらの結果を基に、体温調節数値モデルである人体熱モデルJOSの開発・改良に加えて、人体熱モデルJOSと数値流体解析CFD・放射解析との連成計算を行っている。