従来の駅空間は通過空間としてみなされていたが、ここ数年の間に首都圏の拠点駅にはショップやカフェなどを備えたものが登場し、「滞在」という新しい駅利用のかたちが生まれつつある。それゆえ駅の環境や快適性はより重要視されてきているが、半屋外という性質を持つ駅では、空調一辺倒ではなくパッシブ手法を用いることで、環境負荷を高めることなく計画することが可能ではないかと考える。2004~2006年に行われた実測調査では、都内4駅において環境測定と約4000人に対してアンケート調査を行った。その結果、夏季において滞在者の20%以上が許容できないと申告した許容限界はSET*(標準有効温度)32℃であり、多くの時間帯で限界値を超えていることが明らかになった。この限界値は室内の許容限界よりも高く、パッシブ手法を導入することによって達成できると考えられる。また、暑い駅の主な要因として、気流が微弱であること、日射の影響が大きいことがあげられており、これらの要因に対して対策案の検討を進めている。