INFORMATION

カリフォルニア大学バークレー校、シドニー大学、シンガポール大学との共同研究論文が公開されました

カリフォルニア大学バークレー校、シドニー大学、シンガポール大学との共同研究論文が国際的英文誌Building and Enviromentに公開されました。日本人は評価が厳しいことも分かりました。

https://doi.org/10.1016/j.buildenv.2025.113783

Measuring what matters: A benchmarking system for occupant satisfaction with workspace environments Jing Xiong, Toby Cheung, Yuta Fukawa, Nadine Noelle, Thomas Parkinson, Jungsoo Kim, Shin-ichi Tanabe, Richard de Dear, Stefano Schiavon

職場の物理的環境に対する居住者満足度は、オフィスビルの性能を評価する上で重要な指標です。しかし、建物間で満足度を公正に比較したり、ワークスペース設計をベンチマークしたりする方法については、これまで明確な合意が得られていません。

本研究では、米国、オーストラリア、日本、シンガポールにおける93,153件のポスト・オキュパンシー評価(POE)調査データを分析し、国ごとの体系的な差異を明らかにするとともに、オフィス空間の主要項目に関する実証的ベンチマークを構築しました。その結果、ワークスペース全体の満足度はシンガポールが最も高く(79%)、次いで米国(68%)、オーストラリア(65%)、日本(39%)の順となりました。米国とオーストラリアでは、温熱環境、音環境、プライバシーなどにわずかな差はあるものの、全体的に類似した傾向が見られました。一方、日本およびシンガポールのデータは、西洋諸国とは大きく異なる特徴を示しました。

本研究では、一般的に用いられる満足度80%といった固定的な目標値を採用するのではなく、各調査データにおける満足度分布に基づいた実証的ベンチマークを提案しています。具体的には、満足度の分布に応じて3段階のスター評価を設定し、80パーセンタイル以上を3つ星(最高評価)、30パーセンタイル未満を1つ星(最低評価)とする方法を示しました。このアプローチにより、建築評価制度においてより公平にクレジットを付与することが可能となり、管理者にとっても効果的なベンチマーク手法となります。さらに、本研究では代表性のあるPOE調査結果を得るために必要な最小サンプル数の算定方法も提示しています。