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重ね着するすまいとは?

2013120_重ね着するすまい

日本は南北に長い国土を持っており、亜寒帯の北海道から亜熱帯の沖縄まで、幅広い気候をもつ国です。それぞれの地域の民家を見てみると、その土地の気候に応じて実に多種多様なつくりをしています。北の家は断熱材を着込んで厳しい冬の寒さをしのいでいる一方で、南の家はすだれのように薄い素材で日陰を作り、時には腕まくりをするように風を取り込んで夏の暑さをしのいでいます。

 

このように、それぞれの地域に根差した住宅のすがたを見出すことはもちろん大切です。しかし今回私たちは、ある一つの規格となる住宅をつくり、その住宅が外側にまとう層を様々に変えていくことで、あらゆる気候にアジャストしていけるような建築の在り方も可能ではないかと考えました。南の地域で厳しい暑さをしのいだ建築は、たくさん上着を着込めば北国の冬も過ごすことができます。たとえ同じ地域であっても、年間を通してみれば暑い季節も寒い季節も、雨の日も雪の日もあります。季節によってまとう衣服は異なりますし、雨や雪が降ったらその天気にアジャストして様々な衣服に変えていけばよいのです。さらに、上着の素材は住民が自らその土地の文化に合わせたり、地場材を利用したりといったような固有性があっても構いません。南北に長く四季もある日本の建築は、もともと異なる気候にアジャストした省エネの技術を持っています。それを上手に活用することで、日本だけでなく、気候や文化の異なるアジアの諸地域へも省エネの建築を展開できるのではないかと考えています。

 

私たちは今回のプロジェクトにおいて、季節や天気を肌に感じながら、建築の外皮を衣服のように重ね着できるすまいを提案します。